Applied Acoustic Systems Lounge Lizard
- Post by
- tomo
- Time
- 2012-05-02 21:49:00+09:00
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Applied Acoustic Systems社による、電気ピアノに特化したソフトウェア音源。
Lounge Lizard EP-3はサンプリング波形やウェーブテーブルを一切含まない純然たる物理モデリング音源。 ハンマーやトーンジェネレータ、トーンバーなどの機械振動系の数学的モデルに基づきリアルタイム演算で出音を生成しているので、サンプル波形のループに出がちな妙なうねりも無く、ヴェロシティ・スイッチにありがちな大雑把な不連続性も無い。 Rhodesに特有の強打時の歪感も本物に肉薄している。
物理モデリング音源だけに音色パラメータの追い込み次第で音色は大幅に変わる。 当サイト管理者所有のStageモデル(Mark-1 73鍵仕様)に肉薄する音色は残念ながらプリセットには無かったものの、パラメータを編集すると容易にそっくりな出音のキャラクターが出来上がった。 特に、高音部を弱めに弾いた時の倍音は豊富ではないがコモって聞こえる訳でもないコロコロ感が見事に際限できたのが驚くところ。 サンプル波形ベースのタイプではハードウェア音源含めその種のキャラクターを実現したものにはこれまで出会ったことが無かったので、Lounge Lizard EP-3の素晴らしさと特異性が如実にわかる。
Microtonal
Lounge Lizard EP-3はmicrotonalな音源であり、全鍵独立でピッチを調整可能。 その方法は以下の通り。
- Scala scale format準拠のファイルを作成するか入手。
- プログラムフォルダ内、defaultではC:/Program Files/AAS/Lounge Lizard EP-3/Scala/もしくはC:/Program Files (x86)/AAS/Lounge Lizard EP-3/Scala/内に上記ファイルを保存。
- 適用したい音色パッチ毎に上記をインポート選択。
- 必要ならば、その音色パッチを保存することで、それ以降, 同音色パッチは呼び出すだけで同じチューニングが再現される。
肝心のScala scale format file準拠ファイルについては、当サイトではbiotronique.sclを配布している。 このファイルはPianoteqのアコースティックピアノ音色のデフォルト設定で自動生成されている調律曲線に対し、極端なズレが生じることなく同PianoteqのRhodes音色やLounge Lizardの各種音色のピッチを合わせるために筆者が独自に作成したカーブで、同音源にシンセサイザのピッチをピッタリ合わせたり、シンセサイザに手っ取り早く滑らかな調律曲線を施すのに便利。